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ボーイズラブ | 三角関係 | 楽園に棲む龍<全105話> シリーズ - 最愛 1 | 羽邑崇

『楽園に棲む龍<全105話>』

最愛 1

全10ページ
≪あらすじ≫
「圭くん、来なかったね……」

夜、十一時半を回り、風呂から出てきた旭が何気なくそう呟いた。
先に風呂から出て缶ビールをやっていた蒼太は、その小さく漏らされた呟きに、少しだけムッとしていた。

「圭に会いたいんか?」
「え? ……ぁ、そうじゃないよ、ただちょっとどうしてるのかなって思っただけ」

せっかくお邪魔虫がいなくなって二人きりだというのに、旭の関心は自分ではなく圭に向けられている。
そう思うとイラつきもするし、ついつい声も低くなる。

「今更なんや、お前は俺を選んだんやで、わかっとるんか?」


元自分の情人だった圭から、奪い取る形で旭を得た蒼太は、自分を選ぶと言いながら、旭が実はまだ圭を愛しているのではないかと疑っていた。
旭が自分を選ぶと言うのなら、それでもいいと納得していたつもりだった蒼太だが、やはりどうしても無視できない苛立ちは残る。
しかしそれで旭を責める事は出来ないし、圭を恨む訳にもいかない。
奪ったのは、自分のほうなのだ。


※「楽園に棲む龍は愛に埋もれる。」その続きです。
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