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官能小説 | 浮気・不倫 | 愛のままに、感じたままに-01- | 万里ちひろ [p.1/p.5]

『愛のままに、感じたままに』

官能小説 | 浮気・不倫 | 愛のままに、感じたままに-01- | 万里ちひろ [p.1/p.5] | 幻創文庫[p.1/p.5]

愛のままに、感じたままに-01-

[p.1/p.5]
「ああっ、俊直さん……っ!」
 俺が奈緒子を最後に抱いたのは、結婚式場の花嫁控室だった。
「あっ、んっ……!」
「奈緒子っ……」
 彼女は、俺の弟と結婚式を挙げる花嫁だ。





 それは、たった一週間前のことだった。
「兄さん。紹介するよ」
 弟・貴一の結婚式に合わせ、長期の海外出張から一時帰国した俺──鈴原俊直は、貴一の婚約者である奈緒子と出会った。
「あ……」
「……!」
 たぶん。
 お互いの体に走った電撃のような感覚は、気のせいではないし、確定的な何か≠セった。
「兄さん? 奈緒子?」
 不思議そうに間を割った貴一の存在で、はっと我に返り。
「初めまして。春日奈緒子と申します」
「あ、ああどうも。貴一の兄の、鈴原俊直と言います。今は長期の海外出張中で、今回は一時帰国なんだ。ご挨拶がこの時期になったのはお詫びするよ」
 彼女に触れたい衝動にかられ、さりげない仕草で握手を求めると、彼女も俺を見つめながら手を握り返してきた。
「奈緒子。兄さんは、僕たちの結婚式のためにわざわざ帰ってきてくれたんだよ。一週間後の挙式が終わったらすぐに帰るそうだけど……そういえば、奥さん元気? そろそろ妊娠四ヶ月だっけ」
「ああ。それもあって、今回は体の大事を最優先で行けなくて申し訳ない、みんなによろしくと言っていた」
 貴一との何気ない会話に、奈緒子が一瞬だけ切ない表情をしたのは、俺だけが気づいていた。